選び抜かれた、ほんもののヒューマングレード製品をお届けします

厳選した、ほんもののヒューマングレード製品をお届けします

筋肉のために、たんぱく質を。
お腹のために、食物繊維を。

うちのこのごはんを考えるとき、食材や栄養には気を配っていても、「水」は少し後回しになっているかもしれません。

お水はいつでも飲めるようにしているから、必要な分は飲めているはず。でも、実際には一日にどのくらい摂れているでしょう。

水は、「第六の栄養素」とも呼ばれるほど大切なもの。食べたごはんを消化し、栄養を運び、体の外へ不要なものを出す。その一つひとつに、水が関わっています。

若い子も、年齢を重ねた子も。今回は、毎日のごはんと一緒に考えたい「水分」のお話です。

水皿のそばにいる新之助と、給水器から水を飲む白猫の水彩イラスト

食べたごはんを、体が使うために

ごはんを口にしたあと、体の中では、食べ物を小さく分解し、吸収した栄養を必要な場所へ届ける作業が続いています。

唾液や胃液、腸の中の消化液にも水が含まれています。さらに、でんぷんやたんぱく質などを酵素で分解する反応には、水そのものが使われます。この仕組みを「加水分解」と呼びます。

小腸で吸収された栄養を運ぶ血液も、水を多く含んでいます。そして、栄養が届いた先の細胞の中でも、水を含む環境でさまざまな反応が進みます。

たんぱく質を使う過程で生じる窒素の多くは、尿素などに変えられ、腎臓を通って尿とともに体の外へ。この排出にも水が必要です。

消化する。運ぶ。使う。そして、外へ出す。

ごはんの栄養が体の中で働く、その流れを支えているのが水です。

年齢とともに変わる、体と水の関係

2025年、イタリアのペルージャ大学獣医学部などの研究者が、犬の加齢と水分について、これまでの研究を整理した総説を発表しました。[1]

取り上げられているのは、筋肉と脂肪の割合、のどの渇きを感じる仕組み、腎臓が水分を保つ働きなど。人や実験動物の知見も交えながら、年齢とともに変わる水分調節を考察しています。

筋肉は脂肪よりも多くの水分を含むため、体重が同じでも、筋肉と脂肪の割合が変わると体の水分割合も変わります。体重の数字に加えて、筋肉の状態にも目を向けたいところです。

著者らは、細胞内の水分と筋肉・脳などの働きにも注目し、水分をシニア期の栄養管理の柱として扱うことを提案しています。[1]

日々の暮らしで生かしたいのは、若いうちから、その子の飲み方や食事を知っておくこと。「いつも」がわかると、年齢による変化や小さな不調にも気づきやすくなります。

器から飲む水と、ごはんから摂る水

「うちのこは、よくお水を飲んでいる」。その様子を見ると、少し安心しますね。ここで、食事に含まれる水分も一緒に見てみましょう。

2025年に発表された、健康な成犬10頭で食事を比較した試験では、ドライフードを食べたときのほうが、器から飲む水は多くなりました。

ところが、食事に含まれる水まで合わせると、水分の多いフレッシュフードを食べたときのほうが、総水分摂取量は多くなりました。[2]

この試験はメーカーが資金提供した、特定の食事を比較する小規模な研究です。食事の成分にも違いがあるため、今回の条件で得られた結果として紹介しています。

猫でも、2026年に発表された研究で似た傾向が報告されています。研究施設の猫12頭と家庭の猫10頭を調べたところ、器から飲む量はドライ食で多く、食事を含めた総水分摂取量はウェット食で多くなりました。[3]

一日の水分を考えるときは、「飲んだ水」と「食べたごはんの水分」を合わせて。

水の器の減り方に、食事の内容を重ねて見ると、その子の水分の摂り方が少し見えてきます。

見た目に表れにくい水分不足にも、目を向けて

軽い脱水は、見た目や触った感覚だけでは気づきにくいことがあります。元気、食欲、飲む量、尿の様子など、いくつかの変化を合わせて見ていくことが大切です。[4・5]

皮膚をつまんで戻り方を見る方法もありますが、年齢や体格などによっても変わります。家庭では日々の観察を手がかりに、気になる変化を獣医師へ伝えましょう。

うちのこの「いつも」と比べてみよう

水分不足や体調の変化に気づくための観察メモです。当てはまる項目がなくても、軽い脱水が隠れていることがあります。

□ 飲む量・食べる量が減った

ウェットフードや手作りごはんを残すと、食事から摂る水分も減ります。

□ 嘔吐や下痢がある

摂る量とともに、体から失う水分にも目を向けて。回数や、いつから続いているかを記録しましょう。

□ 歯ぐきが乾く・ねばつく

普段の状態と比べてみてください。嫌がるときは、無理に口を開けずに。

□ 元気がない・目が落ちくぼんで見える

脱水を含む、体の不調のサインになることがあります。

□ 飲む量や尿の量が、普段と違う

少なくなったときも、急に増えたときも、相談の手がかりになります。

変化が続く、いくつか重なる。そんなときは、早めに動物病院へ相談を。

すぐに動物病院へ連絡したい様子

立てない、反応が鈍い、呼吸が苦しい、水を飲んでも繰り返し吐く。

これらの変化は、脱水以外の病気でも見られます。脱水の有無や程度は、診察で確認してもらいましょう。

今日からできる、小さな見直し

まずは、数日間の「いつも」を知る

器に入れた水と残った水、食べたごはんの種類や量、尿の回数や様子を、無理のない範囲でメモしてみませんか。

こぼれた水や、多頭飼いで誰が飲んだかなど、きっちり測れないこともあります。まずは「普段より増えた・減った」に気づくところから。

飲む場所と姿勢を、そっと見てみる

よく休む場所から、お水まで楽に行けるか。途中に滑りやすい床や段差はないか。器が動いたり、飲むたびに姿勢を取り直したりしていないか。

器の形や置き場所、高さは、その子が実際に飲む様子を見ながら調整してあげたいですね。新鮮な水を用意し、器や給水器も清潔に保ちましょう。

飲み方が変わったら、理由も一緒に考える

食事や気温が変わっていないのに、急によく飲むようになった。尿の量や回数が増えた。そんな変化も、獣医師に伝えておきたいことです。[6]

飲む量が減ったときや、食欲が落ちたときも同じように。日々の記録があると、診察で「いつから、どう変わったか」を伝えやすくなります。

次のごはんを用意するときは、食材と一緒に水分のことも。うちのこが何を食べ、どこで、どんなふうにお水を飲んでいるか。今日はその様子を、少しだけゆっくり見てみませんか。

今回の記事は、2026年10月5日に開催したオンライン講座「胃腸のごはん学〜吸収力を高める食事設計〜」で取り上げた水の大切さをきっかけに、海外の研究を交えて掘り下げました。

参考文献

[1]Guelfi G, et al.(2025)
The Emerging Role of Water Loss in Dog Aging. Cells, 14(7), 545.
犬の加齢と水分調節に関する総説。
doi:10.3390/cells14070545

[2]Sires R, Yamka R, Wakshlag J.(2025)
Feeding fresh food and providing water ad libitum is clinically proven to exceed calculated daily water requirements and impact urine relative supersaturation in dogs. Frontiers in Veterinary Science, 12, 1675990.
犬の食事形態と総水分摂取量などを調べた研究。
doi:10.3389/fvets.2025.1675990

[3]van Diggelen RA, et al.(2026)
Water intake and consumption behavior of colony and privately-owned healthy domestic cats fed 100% dry, 50% dry and 50% wet, and 100% wet diets: a comparison of research and home environments. Journal of Animal Science, 104, skag201.
研究施設と家庭で暮らす猫の食事・飲水行動を比較した研究。
doi:10.1093/jas/skag201

[4]AAHA(2024)
Fluid Therapy Guidelines for Dogs and Cats. Section 2: General Fluid Therapy Principles.
脱水の評価と体液管理について。
AAHA公式ガイドライン

[5]MSD Veterinary Manual
The Fluid Resuscitation Plan in Animals.
脱水の身体所見と、その評価について。
MSD Veterinary Manual

[6]AAHA(2023)
Senior Care Guidelines for Dogs and Cats.
シニア犬猫のケアと、家庭で観察したい変化について。
doi:10.5326/JAAHA-MS-7343

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KOKO|Knot主宰

人と犬の食事と栄養を軸に、商品選びや専門家を迎えた講座の企画を行っています。自身も、チワプーの男の子と豆柴の女の子のママ。2頭との暮らしや日々の学びを交えながら、毎日のごはんに生かせる知識と工夫をご紹介しています。