選び抜かれた、ほんもののヒューマングレード製品をお届けします

厳選した、ほんもののヒューマングレード製品をお届けします

腸活というと、乳酸菌などの「菌を取り入れること」に目が向きがちです。では、その菌が何を利用して働いているかは、考えたことがありますか?

先日、獣医師のカレン・ベッカー先生が、犬や猫の食事における発酵性の食物繊維について発信されていました。

前回は、胃酸が消化を助けるお話をしました。今回は、その先にある小腸と大腸の働きから、毎日のごはんに生かせる工夫をご紹介します。

柴犬と猫が目を合わせ、ごはんを楽しみにしている柔らかな水彩の挿絵

小腸で栄養を吸収した、その先は?

胃から送り出された食べものは、小腸でさらに消化されます。膵臓から届く消化酵素などが働き、たんぱく質や脂質、でんぷんなどが吸収できる形に分解され、栄養の多くがここから体に取り込まれていきます。

では、その先にある大腸は、残ったものを便にするだけの場所なのでしょうか。

実は、大腸にも大切な仕事があります。水分や電解質を吸収し、便を形づくること。そして、そこに暮らす腸内細菌が、食物繊維などを利用することです。

食物繊維は、犬や猫自身の消化酵素では分解されにくいため、大腸まで届きます。その一部が腸内細菌の「ごはん」になり、発酵によって酪酸・プロピオン酸・酢酸などの短鎖脂肪酸が生まれます。

この短鎖脂肪酸も、大腸から吸収されて体に利用されます。なかでも酪酸は、大腸の粘膜の細胞を支える大切なエネルギー源です。

自分では消化しにくかったものを、腸内細菌が体に役立つものへ変えてくれる。食物繊維を考えるときに、知っておきたい働きですね。

腸内細菌がつくる、3つの短鎖脂肪酸

食物繊維の一部

腸内細菌による発酵

酪酸

大腸の粘膜を支える

粘膜の細胞の大切なエネルギー源。腸のバリア機能にも関わります。

プロピオン酸

主に肝臓で利用される

体に必要なブドウ糖をつくる材料などになります。

酢酸

血液を通じて全身へ

筋肉などのエネルギー源に。腸内では、一部の菌が酪酸をつくる材料にもなります。

人を含む哺乳類の研究に基づく、主な使われ方の整理です。それぞれの働きは重なり合っています。

一方、発酵されにくい繊維にも、便のかさなどに関わる役割があります。「菌のごはんになる繊維」と「便の状態を支える繊維」。それぞれの性質を生かすことが、食事を考える手がかりになります。

いつものフードにも、役割の違う繊維が

原材料欄に「イヌリン」「フラクトオリゴ糖(FOS)」「ビートパルプ」「セルロース」などの名前はありませんか。

イヌリンやフラクトオリゴ糖は、腸内細菌に利用されやすい成分です。

ビートパルプは、砂糖の原料になるてん菜から糖分を取り出したあとの、繊維が豊富な部分。人工的に合成したものではなく、発酵される繊維と、便のかさなどに関わる繊維を併せ持つ原材料です。

セルロースも、もともと植物に含まれる繊維の一つ。発酵されにくいものの、便のかさを調整するなどの役割があり、体重管理や猫の毛玉ケアを考えたフードにも使われています。

腸内細菌の材料になることも、便の状態を整えることも、大切な働き。フードでは、目的に合わせて性質の異なる繊維が組み合わされています。

ただし、原材料名だけでは配合量までは分かりません。成分欄の「粗繊維」も、食物繊維のすべてを表す数字ではないため、それだけで不足や十分量を判断することはできません。

ラベルは、今のごはんを知る手がかりに。便や食欲が安定しているなら、無理に何かを増やす必要はありません。

添えるなら、身近な食材を一種類から

健康な犬の食事に少し取り入れるなら、かぼちゃやにんじんなどが候補になります。味付けせずにやわらかく加熱し、つぶすか細かく刻んで、少量をいつものごはんに混ぜてみましょう。

たとえば、家族の食事に使うにんじんを、ねぎ類や調味料を加える前に別に取り分けておく。特別な一品を作らなくても、始められます。

最初は一種類だけにすると、食べたあとの変化を見やすくなります。合うものが分かってきたら、その中で食材を替える楽しみも。

これは、特定の野菜で酪酸を確実に増やす方法ではなく、食物繊維を含む食材を食事に取り入れる工夫です。

総合栄養食を主食にしている場合、おやつとトッピングは合わせて一日の摂取カロリーの10%以内が一般的な目安。あくまで上限で、そこまで足す必要はありません。主食を大きく減らして野菜に置き換えないようにしましょう。

手作りごはんが主食なら、野菜だけを増やさず、食事全体の栄養バランスで考えることが大切です。猫や、療法食・食事制限のある子は、追加する必要があるかも含めて獣医師に確認してくださいね。

うちのこのお腹、こんな変化はありませんか?

毎日のごはんが合っているかを考えるときは、食べたあとの様子も手がかりになります。「普段と比べてどうかな?」と、見てみてください。

  • 便が硬く、乾いている
  • 排便に時間がかかる、何度もいきむ
  • やわらかい便や、形のない便が続く
  • 排便の回数が、普段より増えたり減ったりしている
  • おならが増えたなど、お腹の様子が変わった
  • フードやトッピングを変えてから、便の状態が変わった

当てはまっても、食物繊維が足りないとは限りません。繊維の種類や量が合っていない、水分が不足している、病気が隠れているなど、理由はさまざまです。

まずは、食べたものと量、変更した日、便の状態をメモしてみましょう。便の写真も、相談するときの助けになります。

血便や嘔吐、食欲の低下、お腹の痛みがあるとき、何度もいきむのに出ないときは、食材を足して様子を見るより、早めに獣医師へ。

チェックの目的は、不足しているものを自分で診断することではなく、うちのこの変化に気づくこと。便が整い、食欲や元気も普段どおりなら、その「いつも」を知っておくことも大切ですね。

今の食事を知り、取り入れるなら一種類を少量から。そして、食べたあとの様子を見る。美味しく食べられることも大切にしながら、その子に合う食事を考えていけたらと思います。

次回のオンライン講座

今回の食物繊維のお話をきっかけに、うちのこの腸内環境をもう少し深く学んでみませんか。次回は、定あすか先生によるADVANCE編です。

ADVANCE

腸活ごはん学

〜腸内環境を深掘りする〜

2026年10月19日(月)12:00〜13:00

講師:定あすか先生

Zoom開催・アーカイブ配信付き

2026年10月5日のオンライン講座「胃腸のごはん学〜吸収力を高める食事設計〜」では、消化・吸収の流れと、食事を考えるときに目を向けたいポイントを学びました。

この回は、アーカイブでもご受講いただけます。毎日のごはんをもう少し深く考えてみたい方は、講座案内をご覧ください。

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Knot STAFF BLOGについて

KOKO|Knot主宰

人と犬の食事と栄養を軸に、商品選びや専門家を迎えた講座の企画を行っています。自身も、チワプーの男の子と豆柴の女の子のママ。2頭との暮らしや日々の学びを交えながら、毎日のごはんに生かせる知識と工夫をご紹介しています。